編み物をはじめたばかりの方がつまずきやすいのが、
「ゲージ」です。
今日はゲージの基本と、
なぜ大切なのかをわかりやすく解説します。
記事の後半には、目数と段数を自動で出す「ニット計算ツール」も置いています。
計算が苦手な方は、そこだけ使っていただいてもかまいません。
ゲージってなに?
ゲージとは、
10cm × 10cm の正方形に
何目・何段入るかを表す数値のことです。
編み物のパターン(作り方)には、
必ず「ゲージ:20目 × 28段」などと記載されています。
「目数ゲージ」と「段数ゲージ」
ゲージには横方向と縦方向の2つあります。
| 呼び方 | 数えるもの | 決まるもの |
|---|---|---|
| 目数ゲージ | 10cmの中に入る目の数(横) | 作品の幅 |
| 段数ゲージ | 10cmの中に入る段の数(縦) | 作品の丈 |
「ゲージ:20目 × 28段」と書かれていたら、
横に20目、縦に28段で10cm角になるという意味です。
なぜゲージが重要なの?
同じパターンを使っても、
編む人によって仕上がりサイズが変わってしまうのは、
ゲージのずれが原因です。
・目数が多い(きつめに編む) → 小さく仕上がる
・目数が少ない(ゆるめに編む) → 大きく仕上がる
セーターや靴下など、
サイズが重要な作品では
ゲージ合わせが欠かせません。
1目のずれは、どれくらいの差になる?
「たった1目」と思われるかもしれませんが、
作品が大きくなるほど差は広がります。
【例】パターンのゲージ 20目 / 身幅50cmの前身頃 = 100目
| 自分のゲージ | 100目で編むと | パターンとの差 |
|---|---|---|
| 20目(ぴったり) | 50.0cm | ±0 |
| 21目(きつめ) | 47.6cm | −2.4cm |
| 19目(ゆるめ) | 52.6cm | +2.6cm |
前後の身頃を合わせると、胸囲でおよそ5cmの差になります。
【例】パターンのゲージ 28段 / 着丈60cm = 168段
| 自分のゲージ | 168段で編むと | パターンとの差 |
|---|---|---|
| 28段(ぴったり) | 60.0cm | ±0 |
| 30段(つまり気味) | 56.0cm | −4.0cm |
| 26段(のび気味) | 64.6cm | +4.6cm |
丈は数cm変わるだけで、印象がずいぶん変わります。
ゲージの合わせ方
1. スワッチを編む
本番と同じ糸・針で15cm角ほど編みます。
2. 測定する
編み地を軽くブロッキング(水通し)してから、
中央部分の10cm角を測ります。
3. ずれていたら針を変える
・目数が多い(小さい) → 1号太い針に変える
・目数が少ない(大きい) → 1号細い針に変える
スワッチを編むときのコツ
| 大きさ | 15cm角ほど。10cm角ちょうどだと端がゆがんで正確に測れません |
| 糸と針 | 本番と同じものを使います。色が違うだけでもゲージは変わることがあります |
| 編み方 | 輪に編む作品(靴下・帽子)は、輪のままスワッチを編むのがいちばん正確です |
| 測る位置 | 端は目がゆがむので、必ず中央で測ります |
| 水通し | 本番と同じ手順でブロッキングしてから測ります |
ずれていたときの調整早見表
| 自分のゲージ | 仕上がり | 対処 |
|---|---|---|
| 目数が多い(例 22目 > 20目) | 小さくなる | 針を1〜2号太くする |
| 目数が少ない(例 18目 < 20目) | 大きくなる | 針を1〜2号細くする |
| ぴったり | パターンどおり | そのまま編みはじめてOK |
目安として、針を1号変えると10cmあたり0.5〜1目ほど変わるです。
2目以上ずれているときは、2号単位で変えてみてください。
目数は合うのに、段数だけ合わないとき
じつはとてもよくあることです。
| 基本の考え方 | 「◯段編む」を「◯cmになるまで編む」に読み替えます |
| 注意が必要なところ | 袖下の増し目、袖山、肩下がりなど段数で指定される部分は、自分の段数ゲージから計算し直します |
| 覚えておきたいこと | 段数ゲージは水通しでいちばん変わりやすいので、必ずブロッキング後に測ります |
作品別・ゲージをどこまで合わせる?
| 作品 | ゲージ合わせ | 理由 |
|---|---|---|
| セーター・カーディガン | 必須 | 数cmの差が着心地に直結します |
| 靴下・手袋 | 必須 | 筒状なので、あとから直せません |
| 帽子 | できれば | きつい・ゆるいが目立ちます |
| ショール・ストール | 目安でOK | 大きさを自由に決められます |
| マフラー・コースター | 不要 | 幅は目数で決められます |
小物から始めるとゲージで悩まずにすむのは、こうした理由からです。
自身のゲージのまま編むときの計算方法
パターンのゲージと自分のゲージがずれていても大丈夫。
下の電卓で、
必要な目数・段数を自動で計算できます。
🧶 ニット計算ツール
※ 端数は切り上げています
ニット計算ツールの使い方
| 1 | 上の欄に、スワッチで測った自分のゲージ(10cmあたりの目数・段数)を入れます |
| 2 | 下の欄に、編みたい寸法(幅・高さ)をcmで入れます |
| 3 | 「計算を実行する」を押すと、必要な目数と段数が出ます |
【例】自分のゲージが 22目 × 30段、幅20cm・高さ25cmのハンドウォーマーを編みたいとき
| 入力 | 数値 |
|---|---|
| ゲージ 横(目数) | 22 |
| ゲージ 縦(段数) | 30 |
| 幅 | 20 |
| 高さ | 25 |
→ 必要目数 44目 / 必要段数 75段 と表示されます。
※ 端数は切り上げています。
ゴム編みや模様編みなどくり返しのある編み地では、
くり返し目数の倍数になるように少し増減してください。
ゲージを測るときにあると便利な道具
| 道具 | 使いどころ | ショップ |
|---|---|---|
| 硬い定規 | やわらかいメジャーより、まっすぐな定規のほうが正確に測れます | ー |
| まち針 | 10cmの始まりと終わりに印をつけます | ー |
| 段数マーカー | スワッチの段を数えるとき、10段ごとに印をつけると楽です | 目数リング |
| ブロッキングマット・ピン | 水通しのあと、形を整えて乾かします | ー |
| 毛糸・棒針 | 本番と同じものを使うのが鉄則です | Fingering Cotton クレパス調メリノウール 80cm輪針 |
| とじ針 | スワッチの糸始末に使います | 毛糸とじ針 |
ゲージについてよくある質問
Q. スワッチはどれくらいの大きさで編めばいいですか?
A. 15cm角が目安です。10cm角ちょうどだと端がゆがみ、正確に測れません。まわりに数目・数段の余裕をもたせて、中央で測ってください。
Q. スワッチはほどいて本番に使ってもいいですか?
A. 使えます。ただし糸に編みぐせが残るので、気になるときは蒸気を当てるか、水通しをしてから使ってください。
Q. 水通し(ブロッキング)は必ず必要ですか?
A. ウールやアルパカなど、水を通すと表情が変わる糸では必須です。とくに段数ゲージは水通し後に大きく変わります。
Q. 靴下や帽子のスワッチはどう編みますか?
A. 平らに編むときと輪に編むときでは、ゲージが変わることがあります。輪に編む作品は、輪のままスワッチを編むのがいちばん正確です。
Q. 針を変えても、どうしてもゲージが合いません。
A. 針を1号変えても10cmあたり0.5〜1目ほどしか変わりません。3目以上ずれているときは、糸の太さそのものを見直してみてください。
Q. 目数は合うのに、段数が合いません。
A. よくあることです。段数は「◯cmになるまで編む」に読み替えて、丈で合わせてください。増し目・減らし目のある部分だけ、自分の段数ゲージから計算し直します。
今日のひとこと
「面倒だからゲージは飛ばす」という気持ち、
とてもよくわかります。
でも、ゲージ合わせはその後の作業を守ってくれます。
特に初めて使う糸や針のときは、
ぜひ丁寧に確認してみてください。
参考過去記事
ゲージについてさらに詳しく知りたい方は、
過去の記事もあわせてどうぞ。
▶ 編み物のゲージの取り方|初心者向けわかりやすく解説【失敗しないコツ】
▶ 「今さら聞けないゲージの基本」ローゲージ・ハイゲージってなに?【初心者向け】
参考書籍
ゲージや編み物の基礎を
もっと深く学びたい方におすすめの一冊です。
いちばんわかりやすい 棒針編みの基礎BOOK
(ゲージの取り方・調整方法を写真付きで丁寧に解説)
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棒針編みの編み図が読めるようになる本
(編み図の読み方からゲージ計算までステップアップできる一冊)
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